北米スポーツ事情・お金編

北米スポーツを「お金」の面から解説してみました。
アメリカ人はスポーツ観戦が大好きです。週末は友達と集まりビールを飲みながらテレビでゲーム観戦というのは定番ではないでしょうか。
最近では、TwitterなどのSNSを通して、見知らぬ人たちと会話を交わしたり、時には口論したりする状況にもなってきていますね。
アメリカ人気のプロスポーツリーグは次のとおりで、北米4大プロスポーツリーグと言われています。
⚫︎アメリカンフットボール National Football League (NFL)
⚫︎野球 Major League Baseball (MLB)
⚫︎バスケットボール National Basketball Association (NBA)
⚫︎アイスホッケー National Hockey League (NHL)
なかでも、スーパーボウルで有名なアメリカンフットボールは、他のメジャー競技を寄せ付けないほど圧倒的人気を得ています。
スポーツ観戦が好きな在米日本人のひとりである筆者は、本記事で北米スポーツを「お金」の面から解説していきたいと思います。
1. 北米で一番収益の高いリーグ
一番人気のあるリーグはNFL(アメリカンフットボール)ですが、どのぐらいの収益をあげているのでしょうか。
他のリーグと比較しながら見ていきましょう。
National Hockey League (NHL)
2020-2021シーズンの収益は$5 billion(1チームあたり$156 million)、NHLは世界で最も価値のあるスポーツリーグのリストで5位となっています。
アイスホッケーは、ヨーロッパや北米の北欧諸国では非常に人気のあるスポーツですが、決して世界で最も支持されているスポーツのトップ10に入っているわけではありません。
それでも、世界最大のアイスホッケーリーグであるNHLは、多くのファンを抱え、毎シーズン多くの資金が注ぎ込まれ、高い人気を誇っています。
NHLのコミッショナーは、1993年2月1より30年近くもGary Bettman氏が務めていますが、Bettman氏が登場するたびファンからブーイングが起こります。理由はいくつかあるようですが、その一つが3回に渡るロックアウトが原因のようですね。
National Basketball Association (NBA)
NBAは、北米だけでなく世界的にも非常に人気のあるリーグです。これはリーグの収益に関しても表れていて、2021-2022年シーズンは$10 billion、各チームに支払われる金額は$330 millionとなっています。バスケットボールは世界で最も支持されているスポーツのトップ10に入り、世界のファンは8億人以上と言われています。
コミッショナーはAdam Silver氏で、まだ60歳と他のリーグのコミッショナーと比べるとかなり若いです。
Major League Baseball (MLB)
大谷翔平選手の活躍で、日本でさらに知名度があがったMLBですが、NBAと同様の収益をあげています。2021年のリーグ総収入は$10 billion, 参加チーム1チームあたり$330 millionにのぼっています。

コミッショナーはRob Manfred氏ですが、この方も常にファンからブーイングを浴びせられています。筆者が予想する理由の一つは、サイン盗みを行いワールドシリーズで優勝したHusoton Astrosへの処分が非常に軽いものであったからです。
ちなみに、日本のプロ野球の収益は、$1.1 billionということですので、MLBの約10分の1ぐらいということになりますね。
National Football League (NFL)
世界的に、最も収益的に価値のあるスポーツリーグはNFLです。アメリカンフットボールは世界的に最も人気のあるスポーツとは言えないですが(ファン層はアメリカとカナダだけで、国外にはほとんどいないのが現状です)、そんな中でも圧倒的に収益性の高いスポーツであることは間違いありません。2021年、NFLは15 billionを生み出し、今年の収益は更に拡大すると予想されています。
コミッショナーはRoger Goodell氏です。
2. 北米で一番資産価値のあるチーム

Forbesによると、2021年末時点で、資産価値の高い10チームは次の通りです。
# 1 NFL Dallas Cowboys $ 8 billion
# 2 NFL New England Patriots $6.4 billion
# 3 MLB New York Yankees $6.2 billion
# 4 NFL Los Angeles Rams $6.2 billion
# 5 NFL New York Giants $6 billion
# 6 NFL San Francisco 49ers $5.2 billion
# 7 NBA New York Knicks $5 billion
# 8 NFL Chicago Bears $5.8 billion
# 9 NFL Washington Commanders $5.6 billion
#10 NFL New York Jets $5.4 billion
8チームがNFLという結果ですが、理由の一つとしては、放映権の高騰に併せて、各チームの平均価値はこの1年で14%上昇した結果でしょう。都市としてはニューヨークが強いようです。
トップチームは、Dallas Cowboysです。彼らが最後にスーパーボウルに出場したのは1995年ですが、「アメリカズチーム」というニックネームがつくほど人気のあるチームです。
資産価値の低いチームはというと。。
# 1 NHL Arizona Coyotes $465 million
# 2 NHL Florida Panthers $595 million
# 3 NHL Columbus Blue Jackets $600 million
# 4 NHL Carolina Hurricanes $615 million
# 5 NHL Buffalo Sabres $635 million
ボトム5は全てがNHLのチームですね。
NHLは筆者が一番好きなスポーツリーグですので非常に残念であります。引き続き応援してサポートしていきたいと思っています。
Washington CommandersオーナーDaniel Snyder氏がチーム売却?
さて、NFLチーム価値高騰化の中にある今、Washington CommandersオーナーDaniel Snyder氏がチーム売却の可能性について、Bank of America Securitiesに相談したことが11月3日に報道されました。
それに合わせて、アマゾン創業者のJeff Bezos氏(フォーブスの推定資産$114 billion)とラップ界の大物Jay-Z氏(フォーブスの推定資産$1.3 billion)が、買収に向けパートナーシップを組むかもしれないという報道もありました。
Bezos氏は、ワシントン・ポスト紙を所有してることもあり、地域との繋がりがあること、さらに、アマゾンのプライム・ビデオは、NFLと11年間$11 billionの契約を結んでいて、"Thursday Night Football "を放送していることから、濃ゆい繋がりが見られます。
グラミー賞受賞歌手Jay-Z氏は、2019年にNFLとパートナーシップ契約を結び、スーパーボウルのハーフタイムを含むイベントのエンターテインメントなどをプロデュースしているため、NFLとの繋がりが既にあります。そして、アーティストやアスリートのマネジメント企業であるRoc Nationの創設者でもあり、Roc Nation社は、Saquon Barkley氏(New York Giants), Dez Bryant氏(元Dallas Cowboys ), Leonard Fournette氏(Tampa Bay Buccaneers)、Todd Gurley氏(元St. Louis / Los Angeles Rams )らの代理人を務めています。
そしてまた、俳優のMatthew McConaughey氏(フォーブスの推定資産$160 million)も買収に参加するかもしれないという報道も出てきました。
McConaughey氏は、テキサス大学オースティン校の文化大使を務めているので、よくスポーツイベントなどで見かけますね。メジャーリーグサッカーのオースティンFCのオーナーの一人でもでもあります。Washington Commandersの大ファンであることも知られていて、オーナーのDaniel Snyder氏とは友人関係にあります。
オーナーのDaniel Snyder氏ですが、この数ヶ月の間、元従業員(チアリーダー)6人とのセクハラと虐待論争の渦中にいることでもフットボールファンの間では広く知られています。
Washington Commandersの予想売却額は、7 billionとも言われていますので、今後の動きが気になりますね。
ちなみに、MicrosoftのGitHub(ソフトウェア開発のプラットフォーム)買収額が$7.5 billionでしたので、今更ながらGitHubの偉大さを感じられずにはいられません。
3. NFLの収入源
NFLが一番収益性の高いリーグということがわかりましたが、その収益はどこからきているのか見ていきたいと思います。
まず、NFLは、レベニュー・シェアリング(リーグの利益を分配する制度)を行なっているリーグであることを理解する必要があります。 これは、NFL所属チームの運営の根幹となるシステムで、これによりフランチャイズが在る都市の規模に左右されないチーム運営が可能となっています。
NFLでは以下の収益をリーグ全体で一旦プールして、その後リーグに所属する全チームに均等に分配しています。
テレビ放映権料
レギュラーシーズンおよびポストシーズン全試合の放映権料は、全てリーグ全体の売上げとしてプールされる。プレシーズンゲームのうち、全国放送されない試合の放映権だけは各チームが販売する。
* 2023年から2032年まで、NFLはメディアパートナーから下記放映権料を徴収予定。
ESPN/ABC - $27.2 billion
Fox - $25.2 billion
CBS - $23.6 billion
NBC - $22.6 billion
Amazon - $13.2 billion
入場料収入
各試合における普通席の入場料収入の60パーセントが全体の売上げとしてプールされる。残りの40パーセントは、ホームチームの収入となる。
グッズ売上げ
NFLおよび各チームの販売するグッズの版権料収入は全てリーグ全体の売上げとしてプールされる。
スポンサー収入
NFL全体と契約するスポンサーからの収入は全てリーグ全体の売上げとしてプールされる。命名権など、各チームが契約するスポンサーからの収入は全てチームの収入となる。
収益を公開している唯一のチームであるグリーンベイ・パッカーズによると、2015年のリーグからの分配金は$226 millionで、全収入に占める分配金の割合は約60%であるようです。他チームも同額の分配金を受け取っていますが、収支の詳細は明らかではありません。
また、NFLと選手組合は、収益の53%をチームオーナーに支払い、47%を選手に配分するレベニューシェア方式に合意しています。
チームに直接入ってくる売り上げは次のようなものです。
⚫︎売店の売上
⚫︎スタジアムグッズの販売
⚫︎ラグジュアリーボックスの売上
⚫︎スタジアムのスポンサーシップ
⚫︎スタジアムの命名権
⚫︎駐車場売上
リーグの売上にならない、チームのみの収入源の一つに、「ラグジュアリーボックスの売上」というものがありますが、それらは、ラグジュアリースイート、プライベートボックス、コーポレートボックスと呼ばれるものです。
豪華なボックス利用には、通常かなり高い使用料金を支払うことになりますが、小規模なスタジアムでは、ラグジュアリーボックスは年間約$10,000ぐらいでリースされることがあります。大規模なスタジアムでは、$1 million 以上になりますが、それらは、企業が、顧客や従業員のために購入しています。
最近の話だと、ロサンゼルスRamsの本拠地であるSofiスタジアムの1ゲームに対するスイートルーム利用料は、$15,000 から $40,000となっています。
ラグジュアリーボックスは、通常、フルバーが備え付けられており、バーテンダーがいることもあります。また、専用バスルームが設置されているため、通常の公衆バスルームに並んで待つ必要がありません。またケータリングも提供されます。多くのラグジュアリーボックスは、30~40名まで収容可能で、通常、テレビが数台設置されているので、スポーツイベントをライブで観戦したり、より近くで見ることができます。
ラグジュアリーボックスから観戦できないファンから、ボックスが他の観客の観戦の邪魔になっているとの非難があるため、新しいスタジアムでは、ラグジュアリーボックスをフィールドの片側にだけ配置することで、そういった状況を改善しようとしています。しかし、一部からは、ラグジュアリーボックスの高価格での販売が、一般チケットの価格を低く抑えるのに役立っているとの主張もあります。
個人的には、一般チケットの値段、またパーキング料金も爆発的に高価になってきたことを実感しています。LAチャージャーズのオープニング観戦に行った友達は、パーキング代に$200も払ったそうです。
4. Dallas Cowboysってどんなチーム?
世界で一番資産価値のあるDallas Cowboys(略称: DAL)はどんなチームなのでしょうか。お金以外のことも含めてみていきましょう。

スポンサー
・2022年4月、Blockchain.comがチームの独占デジタルアセットパートナーとなった。
・2021年9月、Molson Coorsは、10年で$200 millionのパートナーシップ延長を発表した。
・その他の主要スポンサーは、Albertsons、 American Airline Group, AT & T, Bank of America、 Ford、 Keurig Dr Pepper、 NRG Energy、 United health Group、 Pepsi Coです。
本拠地
アメリカ合衆国テキサス州アーリントンに本拠地があります。
ホームスタジアム
AT&Tスタジアムは、アーリントン市が所有しています。

$1.15 billionをかけて建設されたスタジアム(通称Jerry World)の特徴は、300万平方フィートの広さ、柱のない構造、最大収容人数10万5000人以上、開閉式の屋根とガラスのエンドゾーン壁、フィールドレベルの豪華スイートルーム、美術館並みのアートワーク、世界最大級のHDTV(両端の23ヤードラインから伸びる)、地下50フィートのフィールド(スタジアムに入るとパノラマビューが見られる)、カウボーイズの殿堂などのフィールド外のアトラクションなどです。
さらに、このスタジアムには最近、130フィートのLED「ファン体験ボード」が設置され、AT&Tスタジアムアプリを通じてファンが交流できるようになりました。
オーナー/社長/ジェネラルマネージャー
Jerry Jones氏(80歳)は、1989年にDallas Cowboysを $140 millionで買収しました。「Go big or go home(大きく行け、さもなくば家に帰れ、つまり、でっかく行け」をモットーにしていることで有名です。
CEO/取締役副社長選手人事部長
Dallas CowboysオーナーであるJerry Jones氏の息子であり、カウボーイズの幹部Jerry Jones Jr. と Charlotte Jones Andersonの兄です。
ヘッドコーチ
Mike McCarthy氏は、2006年から2018年まで、Green Bay Packersのヘッドコーチを務めました。2011年のスーパーボウルでは、地元Pittsburgh Steelersを相手にチームを優勝に導びき、それ以前は、The San Francisco 49ersとNew Orleans Saintsでオフェンス・コーディネーターを務めていたようです。
スーパーボウル
カウボーイズはスーパーボウルで5回以上優勝ヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを獲得)した3チームのうちの1つです(49ersと同数、Steelersに1回及ばず5回優勝しています。1971(第6回)1977(第12回)1992(第27回)1993(第28回)1995(第30回)。
また8回のスーパーボウルに出場した2チームのうちの1つにもなります。
チアリーダー

NFLのチアリーダーは1954年以来、歌手、マーチングバンド、プロのモデル、高校生など、何らかの形で存在してきたようです。しかし、現在のようなチアリーディングを定義して普遍化させたのは、ダラス・カウボーイズです。
今日のNFLのチアリーダーは、単なる「目の保養」や「エンターテインメント」の域をはるかに超えた存在となっています。チームのイメージアップに貢献したり、チャリティーに参加したり、軍隊を支援するために海外に渡ったりと、大使のような役割を担っています。
特にカウボーイズのチアリーダーは非常に人気が高く毎年世界各国から800人以上がオーディションを受け、倍率は20倍以上にもなります。
過去に、日本人では三田智子さんが1998年と2000年、檀上欣子さんが2016年、河田侑子さんが2016年から2019年まで在籍していました。
史上最高のコーチ
トム・ランドリーは、カウボーイズの初代ヘッドコーチとして29年間在籍し、その間に20連勝のシーズンを記録しました。その間にレギュラーシーズン250勝、ポストシーズン20勝、NFCイースト優勝13回、NFC優勝5回、スーパーボウル優勝2回を記録した名コーチです。また、現在人気のある4-3ディフェンスを考案したことでも知られています。ランドリーは1990年にプロフットボールの殿堂入りを果たし、1993年にはカウボーイズのリングオブオナー(名誉の殿堂)入りを果たしました。
初代社長兼ゼネラルマネージャー
Tex Schramm(Texas Earnest Schramm Jr.氏、1920年6月2日 - 2003年7月15日)は、ナショナルフットボールリーグ(NFL)のダラス カウボーイズの初代社長兼ゼネラルマネージャー/経営者です。Schramm氏は、NFLの初期の歴史を通じて影響力を持ったマーケティングの天才と言われています。
彼はダラスにNFLを誘致する上で大きな役割を果たし(NFLコミッショナーのピート・ロゼールなど、リーグ内に多くの友人を持つことに成功)さらに、AFLとNFLの合併につながる交渉にも努めました。
Doomsday Defense (ドゥームズデイ・ディフェンス)
2世代(1966年~1982年)にわたって続いた「ドゥームズデイ・ディフェンス」と呼ばれるカウボーイズのディフェンスにより、第6回と第12回のスーパーボウルを制し、また第27回、第28回、第30回の優勝のバックボーンになったと言われています。 カウボーイズは、第5回のスーパーボウルには敗れましたが、Chuck Howley選手がディフェンス選手として初めてスーパーボウルMVPに選ばれ、注目を集めました。負けたチームがこの賞を受賞した唯一の例でもあります。
殿堂入りした選手
カウボーイズでプレーした殿堂入り選手は数限りなくいます。Bob Lilly、Roger Staubach、Tony Dorsett、Randy White、Troy Kenneth Aikman、Michael Jerome Irvin、Emmitt James Smith III、Larry Allenなどなど、スターパワーには事欠かないようです。
5. 現在最も稼いでいるアメフト選手
現在最も年俸の高いアメフト選手10人を見ていきましょう。
#1 Aaron Rodgers, QB, Green Bay Packers
年俸:$50.3 million
ロジャースはパッカーズと3年延長契約を結んで、2022年にはNFL最高年俸選手となりました。2度のMVPに輝いたロジャースは、NFL選手として初めて1シーズン$50 million以上を稼ぐことになり、保証金の$150.6 millionは同じくNFL選手として史上最高額となりました。パッカーズでの17年間のキャリアにおいて、スーパーボウルで1回優勝しています。
#2 Russell Wilson, QB, Denver Broncos
年俸:$49 million
ウィルソンは2022年のオフシーズンにデンバーブロンコスにトレードされました。デンバーの新オーナーグループから5年の延長契約を受けるまでリーグ最高額選手でした。2021年に指を負傷して初戦を欠場するまで、レギュラーシーズン149試合連続で先発出場ました。2年目のシーズンにはスーパーボウルも制し、2020年のウォルター・ペイトン・マンオブザイヤーに選ばれています。
#3 Kyler Murray, QB, Arizona Cardinals
年俸:$46.1 million
マレーは$230.5 millionの5年延長契約を結びました。プレーオフで苦戦したこともありますが、マレーはリーグで最も優れた若手クォーターバックの一人です。
#4 Deshaun Watson, QB, Cleveland Browns
年俸:$46 million
これまで22件の民事訴訟と10件の刑事告訴で性犯罪や性的暴行で訴えられてきたワトソンは、オフシーズン初めにブラウンズと5年間 $230 millionで契約を交わしました。ワトソンは2022年シーズン開幕に向けて11試合の出場停止処分を受けていますが、契約は全額保証されているようです。
#5 Patrick Mahomes, QB, Kansas City Chiefs
年俸:$45 million
マホメスは先発として4年間で2度のスーパーボウルに出場して、54回目には優勝してMVPに選ばれています。
#6 Josh Allen, QB, Buffalo Bills
年俸:$43 million
アレンは2021年8月に、ロジャースの最新契約以前のNFL史上最多となる1億5000万ドルのギャランティを支払う契約にサインしました。NFLの4シーズンごとに著しい成長を遂げ、3シーズン連続でビルズを2桁勝利とプレーオフ進出に導いています。
#7 Derek Carr, QB, Las Vegas Raiders
年俸:$40.5 million
カーは近年レイダーズで成功を収めて、2021年にはプレーオフ出場に導いています。その努力に報い、オフシーズン初めに3年$121.5 millionの契約延長を獲得しています。
#8 Dak Prescott, QB, Dallas Cowboys
年俸:$40 million
プレスコットは2020年に負った足首の壊滅的な怪我から復帰して、2021年にはキャリアハイの完投率68.8、パスタッチダウン数37を記録しました。
#8 Matthew Stafford, QB, Los Angeles Rams
年俸:$40 million
スタッフォードは2021年、ラムズをスーパーボウルの栄光に導き、リングを手に入れて、その直後にラムズと4年$160 millionの契約を結びました。
#10 Kirk Cousins, QB, Minnesota Vikings
年俸:$35 million
ミネソタの救世主として連れてこられたのですが、まだそれはうまくいっていないようです。
当然なのかもしれませんが、トップ10入りしている選手全員がQB(クォーターバック)のポジションですね。
アメフトの一流選手のギャラって破格で素晴らしいですが、彼らの肩にのし掛かる、チーム、スポンサー、そしてファンからのプレッシャーやストレスは非常に重たいもがあると思います。
残念ですが、2022年のここ数カ月で、10人のNFL選手が逮捕・起訴されています。犯罪歴のあるNFL選手の中には、児童虐待、殺人、銃の所持、暴行・傷害、薬物所持、飲酒運転などの容疑がかけられている選手もいるのです。それでも、NFLの犯罪件数は2006年以降、着実に減少していっているようです。
ちなみに、アイスホッケー(NHL)が、最も品行方正な選手が多いという統計もあります。
6. 現在最も稼いでいるAaron Rodgers選手とは

最後に、現在最も年俸の高いアーロン・ロジャースとはどんな選手なのでしょうか。
純資産:$200 Million
年齢:38歳
誕生日: 1983年12月2日
身長:1.88 m (6 ft 2 in)
出身地:Chico, California, US
所属チーム:Green Bay Packers
生い立ち
アーロンはカリフォルニア州チコで生まれて、両親と2人の兄弟と共にカリフォルニア州ウキアで育ちました。ドイツ人、アイルランド人、イギリス人の祖先を持つようです。父親のエドワードの職業はカイロプラクターで、チコ州立大学ワイルドキャッツでフットボールの選手として活躍したようです。
アーロンは10歳のときに地元のバスケットボールのフリースロー大会で優勝して、Ukiah Daily Journalに掲載された経験があります。その後、一家はオレゴン州のビーバートンに引っ越し、アーロンは中学校でピッチャーとして野球をしていました。1997年、ロジャース一家はチコに引っ越し、アーロンはそこで高校時代にクォーターバックとしてのキャリアをスタートさせたようです。
アーロンはその時は比較的小柄だったせいか大学チームから関心を持たれてずにいて、フットボールをやめて野球をするか、プロスポーツでプレーすることを完全に諦めて学部卒業後にロースクールに通うことを考えていたようです。その後、チコ近郊のButte Community Collegeからフットボールをするように勧誘されて進学、チームで大活躍して、高校時代の学業成績が優秀だったことから、短大1年でスポーツ奨学金を得てカリフォルニア大学バークレー校に編入しました。アーロンは、3年間のバークレー在籍資格を得てゴールデン・ベアーズで活躍しました。
ちなみに、父親のエドワードは3人の息子に対して、大学生活での酒とパーティを禁止させて、彼らはそれを厳守したそうです。そして2005年のドラフトでGreen Bay Packersより指名されて現在に至ります。
私生活
気になるアーロンの私生活をざっくりとリストアップしたいと思います。
⚫︎未婚
数人の女性たちと交際した過去がありますが、未だ結婚にはいたっていないようですね。
⚫︎宗教
家族はキリスト教ですが、彼はいかなる宗教組織にも属さないと宣言しています。
⚫︎代替医療
近代医療に頼らず民間療法の選択をしているようです。よって、COVID-19のワクチンも一切接種していません。
⚫︎不動産
2009年、カリフォルニア州デル・マーに$2 millionで豪邸を購入後、2021年11月に$5.1 millionで売却しています。
2019年12月、アーロンは$28 millionで海の見えるマリブの邸宅をミュージシャンのロビー・ウィリアムスよりキャッシュで購入。
⚫︎State Farm からの広告収入
Forbes誌によると、年間に$2から$3 million得ているようです。
⚫︎その他
2018年、NBA Milwaukee Bucksのシェアを取得しています。
2019年、Roth Capitalと$50 millionのベンチャーキャピタルおよびグロースステージファンドを設立して、Nate Raabe氏とByron Roth氏と共にファンドを運用しています。
まとめ
今回は結果的にアメリカンフットボールの話題が中心になってしまいましたが、他のリーグやチームについても今後解説していけたらと思います。
筆者は熱狂的なNFLファンではありませんが、一番好きなNFL選手を挙げるとすれば、アーロン・ロジャースです。素晴らしいプレイの陰には、自分の価値観を持ってしっかりと主張し、信念を貫く強さがあるのですね。そんなブレない精神を筆者も見習いたいと思います。
さて、お金の面から見ていった北米スポーツ事情はいかがでしたでしょうか。
今後スポーツ観戦をする際に、他の角度からも観察できるきっかけになってもらえたら筆者はとても嬉しく思います。