Web3.0、NFT、メタバースについて考える

今回は、最近注目を集めている新しいテクノロジーである、Web3.0、NFT、メタバースについてお話ししようと思います。
Web3.0、NFT、メタバースのテクノロジーは、インターネットの新たな可能性を切り拓くものとして、多くの人々の興味を引いています。
私自身も大変興味がありますので、Web3.0、NFT、メタバースとは一体何で、どのように私たちの生活やビジネスに影響を与えるのか考えてみたいと思います。
1 そもそもWeb1.0, 2.0, 3.0の定義とは?
定義と代表的なサイト例を次にリストしました。
Web 1.0: 読むだけのインターネット
ユーザーは、ウェブサイトを閲覧し、情報を読んだり、画像を見たりすることができましたが、自分で情報を作成や共有することはできませんでした。
代表的なサイト例:Yahoo!、Amazon
Web 2.0: 参加して情報を共有するインターネット
ユーザーがインタラクティブに情報を作成し、共有することができるようになり、ブログやSNSなどで自分の意見や情報を発信し、他の人と情報を共有できるようになりました。
代表的なサイト例:Facebook、Twitter 、YouTube
Web 3.0: スマートでインテリジェントなインターネット
人工知能や機械学習や、ユーザーの個人情報を活用し、よりパーソナライズされたサービスや情報を提供することが可能になりました。データのセキュリティやプライバシーがより重要視されるようになり、より高度な技術を活用して新しいサービスや機能が開発されています。
代表的なサイト例:
Netflix netflix.com : オンデマンドの動画配信サービスであり、個々のユーザーに合わせたオススメの映画やドラマを提供するウェブサイト。
Ethereum https://ethereum.org/ :ブロックチェーンプラットフォーム
OpenSea https://opensea.io/ :NFTマーケットプレイス
Decentraland https://decentraland.org :メタバース
NFTやメタバースがWeb3.0に登場してきましたね。まずは、NFTの前にブロックチェーンについて考えていきましょう。
2 ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは、デジタル情報を安全に管理する仕組みで、「とても強い壁」のようなものです。
その壁は、たくさんの小さなブロックでできていて、それぞれのブロックには情報や取引履歴が記録されています。そして、そのブロック同士がつながっていて、壊れたり変わったりしないように、一緒に並んでいます。
新しい情報が追加されると、前のブロックと繋がりを持つように、新しいブロックが作られます。ブロックがつながり合っていくことで、情報の改ざんや不正な操作を防ぐことができるのです。
また、ブロックチェーンは中央管理者がいないため、みんなで一緒にその壁を守り、情報が分散して保存されます。これにより、情報の改ざんやデータの破壊を防ぎ、信頼性やセキュリティを高めることができます。誰かがお金を送ったり受け取ったりすると、みんながそのことを確認して、壁に新しいブロックを足していくことになります。
ブロックチェーンは、お金の情報を安全に守り、みんなが協力して守っているため、信頼できます。その技術を使って、お金以外の情報も安全に管理することができるんです。
簡単に言うと、ブロックチェーンはデジタル情報を守るための強い壁のようなもので、みんなが協力して情報の改ざんや不正を防ぎ、情報を安全に管理する技術です。
ブロックチェーンは、暗号通貨(例:ビットコイン)の取引に利用されるほか、さまざまな分野での活用が期待されています。例えば、資産管理や契約書の管理、投票システムの改善などがあります。
また、NFT(非代替性トークン)というデジタルアセットの取引にもブロックチェーンが利用されています。
3 NFTとは?
NFT(non-fungible token・ノンファンジブルトークン・非代替性トークン)とは、デジタルアセット(デジタルの資産)の所有権を確定的に証明して、取引を可能にする技術です。
例えば、あなたが絵を描いたとします。その絵をスキャンしてデジタルデータにして、それをNFTとして登録することができます。すると、そのNFTにはその絵の所有権情報が記録されます。これにより、その絵を持っていることが公式に証明されるのです。
そして、そのNFTをオンラインの市場などで売買することができます。他の人がそのNFTを買ったら、その絵の所有権がその人に移ります。そして、その後もそのNFTを売買することができます。
また、NFTはデジタルアセットのため、音楽や動画、ゲームのアイテムなど様々なものに使うことができます。例えば、自分で作った楽曲をNFTとして登録し、他の人がそれを購入したら、その楽曲の所有権がその人に移ることができます。
NFTはブロックチェーンを使って情報を管理して、デジタルアセットの所有権を確実に証明することができます。これにより、クリエイターやアーティストが自身の作品を直接販売したり、ファンが直接所有権を持ったりすることができるようになりました。
NFTのビジネススタイルはどのようなものがあるのでしょうか。既存するNFTのビジネススタイルやプラットフォームも含めてみていきましょう。
4 NFTマーケットプレイス
NFTを売買するオンラインのマーケットプレイスです。クリエイターは自身の作品をNFTとして登録し、市場で販売することができます。
OpenSea https://opensea.io/:クリエイターやコレクターがNFTを売買することができる、最も広く知られたNFTマーケットプレイスの一つです。様々な種類のNFTが取引されており、ユーザーが独自のNFTを作成することも可能です。
Rarible https://rarible.com/:クリエイターやアーティストが自身の作品をNFTとして販売することができるマーケットプレイスです。ユーザーがオリジナルのNFTを作成し、販売手数料を受け取ることができます。
Foundation https://foundation.app/:厳選されたアーティストによるNFTを販売するプラットフォームです。高品質な作品が多く取引されており、アーティストのクリエイティブな活動を支援することを目的としています。
SuperRare https://superrare.co/:高品質のデジタルアート作品を取り扱うNFTマーケットプレイスで、オンライン上でのオークション形式での販売が行われています。
Nifty Gateway https://niftygateway.com/:アーティストやクリエイターによる限定的なNFTの販売が行われるプラットフォームです。人気アーティストによる限定的なNFTドロップが話題になることが多く、注目を集めています。
5 NFTコレクタブル&ゲームアイテム
ゲームやコレクタブル領域において、NFTを利用したデジタルアイテムの販売が行われています。例えば、仮想世界での所有権を持つNFTの販売や、ゲーム内アイテムをNFTとして発行してプレイヤー間での売買が行われるなどがあります。
NBA Top Shot https://nbatopshot.com/:バスケットボールのNFTコレクタブルプラットフォームで、NBAのハイライトプレイをNFTとして販売しています。ユーザーはこれらのNFTを購入し、所有することで、独占的なデジタルコレクションを持つことができます。
CryptoPunks https://cryptopunks.app/:8x8ピクセルのピクセルアートのキャラクターをNFTとして販売しているプラットフォームです。ユーザーはこれらのキャラクターを所有し、自分のデジタルコレクションを作成することができます。
Axie Infinity https://axieinfinity.com/:NFTを使ったプレイツーアーン型のデジタルペットの育成ゲームです。ユーザーはNFTのアクシーズと呼ばれるデジタルペットを所有し、ゲーム内で遊びながらアクシーズを育成し、収益を得ることができます。
Decentraland https://decentraland.org/:仮想のメタバースで、土地をNFTとして所有し、自分の仮想世界を作成することができます。ユーザーはNFTの土地を購入し、自分の仮想空間を作成し、他のユーザーと交流したり、ゲームを楽しんだりすることができます。
6 NFTコミュニティ
NFTを活用して、クリエイターとファンのコミュニケーションを促進することで、ファンからの支援を得るビジネススタイルもあります。例えば、NFTを持っている人に限定的な特典を提供する、オンラインイベントを開催する、NFTを持っている人に限定のコンテンツを提供するなどがあります。
Foundation https://foundation.app/:クリエイターが自分のデジタル作品をNFTとして販売し、ファンとのコミュニケーションを促進するプラットフォームです。クリエイターは自分の作品をNFTとして発行し、ファンはこれらのNFTを購入して所有することができます。NFTの所有者は、作品のオーナーシップを証明し、クリエイターとのコミュニケーションや特典を受けることができます。
Rarible https://rarible.com/:クリエイターが自分のデジタル作品をNFTとして販売し、ファンとのコミュニケーションを促進するプラットフォームで、クリエイターが独自のトークンを作成して自分の作品を売買できる機能を備えています。クリエイターは自分の作品をNFTとして発行し、ファンはこれらのNFTを購入して所有することができます。NFTの所有者は、クリエイターとのコミュニケーションや特典を受けることができます。
Mirror https://mirror.xyz/:作家やクリエイターが自分の文章や作品をNFTとして販売し、ファンとのコミュニケーションを活性化するプラットフォームです。クリエイターは自分の文章や作品をNFTとして発行し、ファンはこれらのNFTを購入して所有することができます。NFTの所有者は、クリエイターとのコミュニケーションや特典を受けることができます。
7 NFTライセンス&ロイヤリティ
NFTにはロイヤリティ(著作権使用料)の設定が可能であり、二次的な売買があった場合にもクリエイターが一定の収益を受け取ることができる場合があります。これにより、クリエイターは自身の作品の所有権を維持しながら、将来的な売上を得ることができるビジネスモデルがあります。
Async Ar https://async.art/:デジタルアートをNFTとして販売し、アート作品を所有者がカスタマイズできるプラットフォームです。所有者はアート作品の異なるレイヤーを切り替えたり、独自のコンテンツを追加したりすることができます。また、アーティストは自分の作品に対してロイヤリティを設定し、作品が売買されるたびにロイヤリティを受け取ることができます。
Zora https://zora.co/:クリエイターが自分のデジタル作品をNFTとして販売し、オリジナル作品に対してロイヤリティを設定できるプラットフォームです。クリエイターは作品をNFTとして発行し、ファンはこれらのNFTを購入して所有することができます。作品が再販されるたびに、オリジナル作品のクリエイターに対してロイヤリティが支払われる仕組みがあります。
8 NFTで利用可能な通貨は?
NFTの取引には、一般的に仮想通貨を利用します。
イーサリアム(Ethereum/ETH):イーサリアムは、最も一般的にNFTの取引に使用される仮想通貨です。イーサリアムのスマートコントラクト機能を活用して、NFTの所有権や取引履歴を記録し、取引が行われます。
ビットコイン(Bitcoin/BTC): ビットコインは最も古く普及している仮想通貨であり、一部のNFTマーケットプレイスではビットコインを受け入れることができる場合もありますが、一般的にはイーサリアムが主流です。
バイナンスコイン(Binance Coin/BNB): バイナンスコインはバイナンスという取引所が発行する仮想通貨であり、バイナンススマートチェーン上でNFTの取引が行われる場合に利用されることがあります。
さて、最後にメタバースについて解説していきます。
9 メタバースとは?
メタバースとは、インターネット空間にある3Dのデジタル世界のことです。普通のインターネットは2Dのウェブページが中心ですが、メタバースはそこに空間や場所があるような感じです。
例えば、自分の部屋を持ったり、自分のアバター(仮想の自分自身)を作ったり、友達と一緒に遊んだりすることができます。メタバース空間には、仮想の土地や建物、アイテムがあり、それらを持ったり、交換したり、売買したりすることもできます。
また、仮想通貨を使って経済活動が行われることもあります。例えば、仮想のお店でアイテムを買ったり、自分の作ったアイテムを売ったりすることができます。
ユーザーが自分自身を表現したり、自由に活動したりすることができる、新しい形のデジタル世界がメタバースです。
10 メタバースのプラットフォーム
現在、次のようないくつかの有名なメタバースのプラットフォームが存在しています。
Roblox(ロブロックス)https://www.roblox.com/:ゲームを中心にしたメタバースで、ユーザーが自分自身でゲームを作成し、共有することができます。また、仮想通貨を用いた経済活動も行われています。
Decentraland(ディセントラランド)https://decentraland.org/:ユーザーが3Dの仮想空間を所有し、自由にアバターを操作して交流したり、イベントに参加したりすることができるメタバースです。NFTを用いた仮想土地の売買も行われています。
Cryptovoxels(クリプトボクセルス)https://www.voxels.com/:ユーザーが自分の仮想空間を持ち、3Dのアートやゲーム、イベントを楽しむことができるメタバースです。NFTを用いたアートの展示や販売も行われています。
The Sandbox(ザ・サンドボックス)https://www.sandbox.game/jp/:ユーザーが自分自身でゲームを作成し、仮想土地を所有し、NFTを用いた経済活動が行われるメタバースです。
11 メタバースに参加するには?
メタバースに参加するには、一般的に以下が必要になります。
PCまたはスマホ:メタバースにアクセスするためには、インターネットに接続できるデバイスが必須です。
メタバースのアカウント:各メタバースには、ユーザーアカウントを作成する必要があります。これにより、自分のアバターを作成したり、仮想空間を所有したり、取引を行ったりすることができます。
仮想通貨ウォレット:メタバース内での経済活動には、一般的に仮想通貨を使用します。そのため、仮想通貨ウォレットを持っていると便利です。
* 一部のメタバースには、仮想現実(VR)ヘッドセットやコントローラーなどの特定のハードウェアが必要な場合もあります。
12 メタバースに参加するために必要な資金は?
具体的な金額は、メタバースやプラットフォームによって異なったり、市場やサービスの状況によって変化するため、最新の情報を参照することをお勧めします。
メタバースやプラットフォームの登録手数料:メタバースやプラットフォームでは、登録に際して、数ドルから数十ドル程度の手数料が必要な場合があります。
仮想通貨の購入費用:仮想通貨の価格は市場によって異なりますが、一般的な仮想通貨であるEthereum(イーサリアム)の場合、数百ドル以上の投資が必要になることがあります。
ハードウェアの購入費用:VRヘッドセットやコントローラーなどのハードウェアを購入する場合、数百ドル以上の投資が必要になることがあります。
* 最新の情報や詳細な料金については、各メタバースやプラットフォームの公式ウェブサイトやドキュメンテーションを参照して確認することをお勧めします。
13 メタバースのユーザー数は?
メタバースやプラットフォームのユーザー数は時期やプラットフォームによって異なりますが、急速に成長しているようです。
例えば、Decentraland(デセントラランド)は、仮想世界を作成し、所有し、取引することができるメタバースの一つであり、数万人以上のユーザーが登録しています。
また、The Sandbox(ザ・サンドボックス)は、ユーザーが独自の仮想世界を作成できるメタバースであり、数百万人以上のユーザーが登録していると言われています!
まとめ
Web3は、ブロックチェーンを基盤とした分散化されたインターネットを指し、ユーザーがデータの所有権を持ち、自己主導的にデジタル世界を活用できるとされています。
NFTは、ブロックチェーン上での独自の価値を持ったデジタル資産であり、デジタルアート、音楽、ゲームアイテムなどで利用されています。NFTを通じて、クリエイターとファンのコミュニケーションを活性化し、ライセンスやロイヤリティの設定も可能になっています。
そして、メタバースは、仮想空間であり、ユーザーが自由に探検し、交流することができます。
これらの新たな技術は、従来のインターネットとは異なる分散化、所有権、交流の仕組みを持ち、クリエイターやユーザーに新たな機会や価値を提供しています。
また、ライセンスやロイヤリティの設定を通じて、クリエイターの収益化を促進するなど、新しいビジネスモデルを生み出す可能性もあります。
しかしながら、Web3、NFT、メタバースにはまだ多くの課題や未解決の問題も存在しており、技術や法律の進化に伴って、今後さらなる変化が予想されます。
それにもかかわらず、これらの技術がもたらす新たな可能性は非常に興味深く、デジタル世界の未来を切り拓く重要なトレンドの一つと言えるでしょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。今回のポストで、みなさまがNFTやメタバースに興味を持っていただけましたら嬉しい限りです。